■第一回 月姫前夜
■第二回 初期衝動
■第三回 産みの苦しみ
■第四回 明暗
■第五回 名残りの月
■第六回 閑話2
■第七回 奈須
■第八回 茄子
■第九回 冥土。
■第十回 比翼の鳥
■番外編 6時間耐久チャット
■番外編 その2 サークル紹介


註1
日本を代表する伝奇作家の一人。
「吸血鬼ハンター"D"」
「魔界都市 新宿」
などが有名

註3
多人数で行う、パソコンやゲーム機を必要としないRPG。 真祖にして絶滅危惧種。
お二人は奈須さん自作のオリジナルシステムで遊んでいたそうです。 ご好意により写真をいただいてきました。

註5
口癖らしい。
どっちなんですか
奈須さん!

註7
「月姫読本」参照。
この先の話は、これを読んでないとさっぱりわかりません

註8
Aristoteles
(BC384-BC322)
古代ギリシアの哲学者。「万学の祖」。
彼の「天体論」は西洋天文学に多大な影響を与えた。 ・・・まあ要するに、一番はじめにお星さまのコトを話にした人。
ここでは「Angel notes」に登場する 人類と亜麗に敵対する8体の生命種を指す。


第一回 月姫前夜


「消しゴム貸して」と言った相手が、彼でした(笑)
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まず、お二人の馴れ初めからお聞きしたいのですが
奈須
あんまり面白い話じゃないと思うんですが
中学校が一緒だったんですよ。
自分、忘れ物多くて、中学一年の新しい教室で
消しゴム忘れちゃって。隣りの席見て
「悪い、消しゴム貸して」
と言った相手が、彼でした(笑)
ここから腐れ縁が始まったというか・・・
武内
昔、奈須はすごい早口で
「消しゴム貸して」
って言ってるの、わかんなかったんですよ。
「え?何?」みたいな。
それで妙に憶えてるんですよね
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その頃はまだただの同級生だったのでしょうか。
それともなにか・・・
武内
自分はガキの頃から結構小説とか読んでたんです。
で、奈須にすすめたんですが
奈須
自分はそれまで小説は読んでなかったんですよ。
武内君とつきあっていくうちにマンガの趣味とかも合って
「ああ、なんか面白いなあ」と。
それである時、菊地秀行(註1)さんの
「エイリアン秘宝街」という小説を貸してもらって、
ものすごくはまっちゃって。
「小説貸してくれー」ってなって。
で、まあ、好きになると書きたくなってくるもので
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小説を書くようになったきっかけは菊地秀行である、と
奈須
ええ。影響を受けた作家さんとなると菊地さんは入りますね

はじめは創作活動。
少年向け創作とかやってました

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「TYPE−MOON」結成前のお二人のサークル活動は
どのようなものだったのでしょうか?
奈須
TYPE−MOONの前は「竹箒」(註2)でやって
いたんですが、そこからになるのかな?
武内
サークルといえば特にサークル活動と
いうわけじゃないんですけど、中学の時の仲間たちで
集まってテーブルトークRPG(註3)をやっていたというのが
一番古いですかね。
自分が一度広島の方で就職しまして、その後帰ってきて
別の会社に就職したんですが、そこで知り合った方々が
同人をやっていて、それに誘われる感じで
同人活動を開始しました。で、自分が開始した活動に
奈須を誘って。はじめは創作活動ですね。
コミティア(註4)とか。で、少年向け創作とか
やってたんですけど、1年間くらいその手の活動を
していた後に「TYPE−MOON」を立ち上げた、
という感じですね
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TYPE−MOON以前の活動は
コミティアなどの創作系イベントが主であったと
武内
そうですね、コミティアと、あとコミケです。
はじめは別の方のサークルと一緒にやっていたんですけど
途中からは分かれて、という感じですね
奈須
TYPE−MOONを立ち上げる前までは、
その方と一緒にやってたんですよ。
ただまあ、あちらも忙しくてゲーム作りには関われない。
月姫を作り始めたら他のことはできないんで
じゃあ、ちょうどいいし、ここで分かれよう、と。
で、分かれて、今に至ります

短かくて読みやすいものと言ったのに・・・(武内)
これは今までの自分の転機になると思ったんです(奈須)

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コミティアでは武内さんはオリジナルのマンガを、
奈須さんは小説を発表されていたと
奈須
当時自分は一年間に一本、投稿用の小説を
書いていたんですよ。書くんですけど、
いつも規定の枚数をオーバーしちゃって(笑)
でまあ、今年はこれでいいや、と。
そういう日々を過ごしていた時に
武内君が広島から帰ってきまして。
HPを立ち上げるので、なんかやれと言われて。
「それじゃ連載物をやらせてくれー」と軽い気持ちで言って
あれ(「空の境界」の掲載)を始めたんです。
ちょうどそれが武内君がコミティアに初めて参加する
ちょっと前のことでして。じゃあ、コミティアで作品を出すから
掲載していた小説をちょっとまとめて出そうとして、
まあ、出したり出さなかったり(註5)
武内
HPで配信すれば(奈須の小説を)読んでもらえるかな、
と思ってたんですよ。もちろん、読んでくれる方は
しっかり読んでくれるんですけど・・・
HPで掲載する小説っていうのはなかなか読みにくいのかな、
というのがありました。コミティアで売った時も
それほどいい反応ではなかったです。
というかですね、
「短いもので、かつ読みやすいもの」と言ったのに・・・
一同
(苦笑)(註6)
奈須
いや、それはですね。
連載物という話になった時に短編で毎回別々の話を作ると
絶対息切れすると思ったんですよ。それだったら
大きい話を考えて、その中でエピソードをぶつ切りにして
形にしていこう。それで一話完結にしていけば
軽い気持ちで書けるな、と。はじめはそういう気持ちで
書いてたんです。でも、三話ぐらいまで書いて
なんかすごい自分で気に入っちゃって。
「あ、これは今までの自分の転機になるな」と。
それで力を入れて書き始めちゃって
だんだんマニアックなものに・・・(笑)
まあ、そんな感じです。

(サークル名は)5秒くらいで決まりました(笑)
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「TYPE−MOON」というサークル名、
これは奈須さんがつけたと聞いたのですが、
サークル名に込めた想いや意味がありましたら
奈須
想いは・・・ホントに無いんですけど(笑)
はじめまあ、サークル名を決めようということになって。
ケンケンゴウゴウくだらないことを言い合ってたんですが、
やっぱり決まらない。で、ちょうど、まあ、同人誌で
「Angel Voice」というのを出してまして、
そこで「Angel notes」(註7)というものを
書いてたんです。それでまあ、敵の中で、実は、
「タイプ・ムーン」ていう隠しがいるんだよ、という話をして。
じゃあちょうどいいじゃん、TYPE−MOONにしよう、と。
5秒くらいで決まりました(笑)
でもまあ、当時はホントに(このサークルは)
月姫を作っておしまい、という感じですから、
その方が潔いというか。みんな馬鹿なことばっか
言ってたんで決まんなかったんですよ。
「ファンキー太陽」とかそういうサークル名ばかり言って(笑)
それだったらまあ、TYPE−MOONの方が地味だけど
憶えやすいし、綺麗だな、ということで
武内
「とりあえず月にちなんだものにしよう」って言ってて、
じゃあ「タイプ・ムーン」だけ決まってないから
これにしようかと
奈須
いや、「タイプ・ムーン」は完璧に決まってる
武内
え、決まってるんだっけ?
奈須
うん
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ちなみに、「タイプ・ムーン」というのは
どのようなアリストテレス(註8)だったのでしょうか
奈須
ようするに、まあ、えー・・・
奈須
・・・ということを考えていたりいなかったり(註9)
編集
なるほど
武内
でも今聞くと笑っちゃうよね
「タイプ・ムーン!」
一同
(爆笑)
奈須
でまあ、そういうその・・・(註10)

to be continued…

註2
武内氏と奈須氏の運営するもう一つのサークル。 こちらではマンガや小説を発表しています

註4
一次創作物のみを取り扱う同人誌即売会。 独特な、ストイックとも言える雰囲気を持つが、 最近その雰囲気が変わりつつあるという話も

註6
まあ、そういうことです。そういう方なのです

註9・10
オトナの事情により残念ながらカット。 カットしたということは 期待していいんですよね、奈須さん?